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青少年のための「初めて学ぶ肝炎」:問題 G
問題 G
では、B型、C型肝炎ウイルスは、どこから感染するのでしょうか。下記の選択肢から正しいと思うものを選んでください。
A. 空気中の肝炎ウイルスを吸い込むことにより感染する
B. 肝炎ウイルスを含んだ血液やその他の体液が体の中に入ることにより感染する
C. 肝炎ウイルスを含んだ水や食物を飲んだり食べたりすることにより感染する

こたえあわせ
答えはBです。
B型、C型肝炎ウイルスは主に血液や体液を介して感染します。例えば、肝炎ウイルスに感染している人が使用した器具を消毒せずにそのまま使い回して、注射、入れ墨(タトゥー)やピアスの穴あけなどをした場合や性交渉による感染(主にB型肝炎)などがあります。
他にも、肝炎にかかっているお母さんから生まれるときの感染(主にB型肝炎)などがありますが、医療の進歩により防げるようになっています。また、輸血や血液製剤による感染も、検査の進歩により現在はほとんど見られなくなっています。
従いまして、肝炎ウイルスの感染を予防するためには、血液や体液が付いた器具を共有しないこと、血液や体液が傷・粘膜に直接触れるのを防ぐことが大事です。その他、普段の生活の中では、B型肝炎やC型肝炎がうつることはありません。
B型肝炎ウイルスに対してワクチンがあり、感染を防ぐことに役立っています。
平成28年10月より、0歳児に対するB型肝炎ワクチンが定期接種となりました。B型肝炎にかかっているお母さんから生まれたお子さんに対しては、B型肝炎ワクチンなどの予防処置を行うことで高い確率で感染を防ぐことができます。
このほか、医師や看護師など血液に触れる可能性の高い人を中心に接種が行われていますが、一般の方も任意で受けることができます。
肝炎ウイルスは、感染していることに気づきにくく、放置していると病気が進行してしまうことがあります。しかし、私たちが正しい知識を持っていれば新たな感染を防ぎ、検査を受け、早期に発見して適切な治療を受けることができます。
普段の生活の中で、B型肝炎やC型肝炎にうつることはほとんどないのですが、このことが十分に理解されていない結果として、偏見や差別に苦しんでいる肝炎ウイルスの感染者や患者も少なくありません。肝炎ウイルスの感染者や患者の人々は、将来に対して大きな不安を抱えながら生活をしています。その不安は、病気が進行してしまうかもしれないことだけではありません。病気を理由に、職場で仲間はずれにされたり、友達や家族からでさえも避けられたりする人もいます。肝炎だけに限りませんが、どんな病気であれ、病気であることを理由に偏見や差別を受けることがあってはならないはずです。私たちが病気に関する正しい知識を持ち、感染を予防するとともに、患者さんたちをむやみに傷つけることのないように接して、お互いに支え合っていくことが大切です。こうした病気に対する偏見や誤解に苦しんでいる人々を支えていく社会の一員としての決意を考えてみましょう。